● アレルギーとは
私たちの身体は防御反応が備わっており、異物が入ってくるとその異物をやっつけるために身体は反応します。しかし、時にその反応が過剰に働きすぎて、身体にとって不都合な反応となることがあり、これをアレルギーといいます。
 代表的な疾患としては、アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症、鼻炎、結膜炎、蕁麻疹が挙げられ、これらの疾患を発症させる因子として、遺伝子因子、環境的因子、食生活因子、精神的因子が考えられています。

タイプ名 特徴
T型アレルギー  反応が短時間のうちに現れる即時型アレルギーのことです。
 気管支喘息、花粉症などのアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、一部の薬物によるアレ
 ルギー、食物によるアレルギーはこのタイプです。
U型アレルギー  細胞に障害を引き起こす細胞溶解性アレルギーのこと。
 血液型不適合輸血による溶血、Rh不適合妊娠による新生児溶血性貧血、インスリン抵抗性糖尿病
 などはこのタイプです。
V型アレルギー  抗原抗体複合型アレルギーともいい、抗原抗体反応によりできた複合体が身体の組織に障害を引き
 起こします。血清病、一部の腎炎はこのタイプです。
W型アレルギー  遅延型アレルギーともいい、反応が現れるまでに時間がかかります。ツベルクリン反応、外用薬や化
 粧品による接触性皮膚炎などはこのタイプです。

身体にとって、異物はすべてアレルギーの原因物質になる可能性があります。アレルギーの原因になる抗原をアレルゲンといいます。

 食物アレルギー とは、卵、牛乳、大豆、肉、チョコレート、ピーナッツ、小麦、そばなどの特定の食品を摂取することによりアレルギーを起こすことをいいます。
 一般的な症状は、かゆみ、湿疹、蕁麻疹などの皮膚症状で、そのほか、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどの鼻症状、口唇が腫れる、口のまわりが赤くなるなどの口症状、瞼のむくみ、かゆみ、涙が出るなどの眼症状、呼吸困難、咳などの呼吸器症状、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状などがあります。また、稀に食物を摂取後、短時間で呼吸困難、血圧低下を来たすなど生命にかかわるアナフィラキシーショックという重篤なものもあります。

 
平成13年4月より食品衛生法においてアレルギー物質を含む食品の表示が義務付けられました(平成14年3月末まで移行期間)。
この中で、アレルギー症状を引き起こす原材料として24品目が挙げられています。特に症例数・重篤度から卵、牛乳、小麦、そば、落花生を特定原材料として表示を義務付け、その他19品目については表示を奨励することとなっています。

@ 対象食品範囲
容器包装された加工食品・食品添加物

A 表示方法
・過去の健康障害等の程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を引き起こした実績のある特定の原材料を含む場合に、その原材料を表示する。

B 表示が必要となった原材料(「特定原材料」)
・表示対象となる特定原材料の範囲を、日本標準商品分類をもとに設定。
表示は、発症数・重篤度により義務、症例の2段階に分類。
省令で表示を義務化(5品目 : 卵、乳、小麦、そば、落花生)。
通知で表示を奨励(19品目 : あわび、いか、いくら、えび、オレンジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)。

規定 特定原材料名 理由
省令 卵、乳、小麦  症例数が多いもの
 なお、牛乳およびチーズは、「乳」を原料とする食品(乳及び乳製品等)を
 一括りとした分類に含まれるものとする。
そば、落花生  症状が重篤であり生命に関わるため、特に留意が必要なもの。
通知  あわび、いか、いくら、えび、オレン
 ジ、かに、キウイフルーツ、牛肉、
 くるみ、さけ、さば、大豆、鶏肉、
 豚肉、まつたけ もも、やまいも、
 りんご
 症例数が少なく、法令で定めるには今後の調査を必要とするもの。
ゼラチン  牛肉・豚肉由来であることが多く、これらは特定原材料であるため、既に
 牛肉、豚肉としての表示が必要があるが、パブリックコメントによる「ゼラチ
 ン」としての単独の表示を行うことへの要望が多く、専門家からの指摘も多
 いため、独立の項目を立てることとする。

C 含有量が微量な場合の表示
(ア) 微量表示
義務表示となる5品目はキャリーオーバー、加工助剤も表示を義務付け。
奨励する19品目は可能な限り表示を奨励。
キャリーオーバー :  食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過
 程において使用されない物であって、当該食品中には当該物が効果を発揮することができる量よ
 り少ない量しか 含まれていないもの
加工助剤 :  食品の加工の際に添加される物であって、当該食品の完成前に除去されるもの、当該食品の原
 材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつその成分の量を明ら
 かに増加させるものではないもの、又は当該食品中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による
 影響を当該食品に及ぼさないもの

(イ) 可能性表示の禁止
・「入っているかもしれない」等の表示は認められない。

(ウ) 特定原材料複合化の禁止 
・大項目分類名(例 : 牛肉・豚肉を原材料としている場合に「肉類」と表記)の使用は一部例外を除いて禁止されます。
 (例外 : たん白加水分解物 (魚介類))

(エ) 高級食材の表示
・あわび、いくら、まつたけ等で微量が配合されている場合には「エキス含有」等を表示。

(オ) 添加物の表記方法
・原則として「物質名 (〜由来) 」と表示。

(カ) 香料の表示
・主剤の中でもタンパク質の残存がない香気成分については、表示の必要はありませんが、タンパク質の残存する主剤及び副剤(安定化等のために使用するもの)については、表示の必要性があります。

(キ) アルコール類
・現時点では表示の対象にはなっていません。

D 具体的な表示方法

(ア) 代替表記
一定のものについては、代替表記(表示方法が異なるが特定原材料と同じものであることが理解できる表記)が認められています。
  (例 : 卵 → 玉子)

(イ) 特定加工食品
一般に特定原材料より製造されていることが知られている「特定加工食品」については、特定原材料表示は不要となっています。
  (例 : するめ → 「いか」より製造されると理解できる)
「特定加工食品」を原材料として含む食品については、その旨の記載により特定原材料の表示に代えることができます。
  (例 : マヨネーズを使ったサンドイッチについては、「卵」の代わりに「マヨネーズ」と記載することができる。)

E 施行期日、その他
・施行期日 : 平成13年4月1日
 ただし、平成14年3月31日までに製造、加工又は輸入されるものについては、なお従前の例によることができます。
表示内容の検証は、書類による追跡調査としています。

アレルギー表示に対する検討会の考え方 : 食物アレルギー患者が、表示によって「アレルギー症状を誘発する食品を回避し、その結果として摂取可能な食品を選ぶことができるようになる」ことが期待され、企業においては、消費者への正確な情報提供を行うことができる体制を整えることが重要とされています。


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